2013年 01月 13日
ほぼ幽霊状態にして4回目の登場です |
朝の人はおはようございます。お昼の人はこんにちは。夜の人はこんばんは。
数学・情報数理学科4年のo高です。
前回の投稿記事で、もう少し部室に顔出しせねば… とかなんとか書いておきながらこの有様なので、1,2年生の方々には面識がないかも知れませんね。
部室に行ったら1年生の人に「入部希望者ですか?」って訊かれる日が来るのかも。
どういうわけか数学科の1年生が多いと聞いたので、今回は自分が1年の頃から今に至るまでに学部で学んだ数学のことをざっくり紹介しようと思います。考えてたネタはボツになりました。
(でも細かくは書かないから語弊を含むかも知れません)大学に入ったら数学をやろうと思っている高校生の方にも参考になればいいのですが…。
・1年
主な数学の授業は、線形代数学、微積分学、数学の基礎、プログラミング くらいですかね。
このころの線形代数は行列式をいじってる記憶しかないです。掃出し法は高校生でも知ってて損はないかも。微積はほぼ高校の復習程度でした。テイラー展開くらいか。あんまり好きじゃないんですけどね。なんなんですかね、あれは。
数学の基礎は集合論です。そして何よりそのとき担当した先生がいろんな意味で凄まじいお方でした。入学後最初の数学の講義だというのに、いきなりラッセルの逆理を説明しだしたのです。
すべての集合の集まりは集合ではない
初めて学んだのがこれでした。後期でもこの科目、数学の基礎Ⅱがあるのですが、あの先生はそこでやるはずだったこともすべて前期で説明していまいました。特に、選択公理を使ってZornの補題を70分かけてアドリブで証明してしまうところは閉口しました。
集合は現代数学の基盤で、すべてこの集合の概念を用いて記述します。最重要科目です。一生懸命に写像や濃度とか勉強してたのが懐かしいです。
プログラミングはというと、Pascalで文法を学びます。教育言語と言われています。他学部の人にはたぶん通じません。
後期の内容は前期の続きです。線形代数は内積をやった後にベクトル空間をやります。ここも重要なんですけど、あんまり細かいことは言及しません。疲れてきたので。
微積は、多変数の実関数(特に2変数)。偏微分と重積分。演習の時間で面倒な計算を随分とやらさました。毎回のレポートでは、3,4枚の用紙で済むのを、余計なことまであれこれと書きまくってわざと12,3枚ぐらいにして提出してやったものでした。
さすがに先生の方も添削するのを嫌がってました。やったね!
あと、Pascalの方はひたすらポインタばっかりやってました。2分木とかもういいから。
・2年
2年からは代数学が登場します。大別すると、群・環・体(あと加群)というものからなります。カリキュラム的には前期に群、後期に環と加群、3年前期に体を勉強することになってます。
こいつらなんなのかというと、集合に演算の構造を与えたもので、数の概念の拡張みたいなものです。ちょっと語弊があるかも。興味のある方はググってみてください。それから統計学も出てきます。面倒ですね。
あと、プログラミングは後期からようやくC言語に入ります。しかも変な入門の仕方で。
群論はSylowの定理まで習いました。あとは独学しろだとさ。線形代数(続論)はJordan標準形です。やり方はともかく、証明がつらくてあまりいい印象はないです。一方で微積続論Ⅰではε-δ論法とかに習熟する機会となります。Ⅱは級数のお話です。
環論(可換環論)はテンソル積とかネーター環とか準素イデアル分解とかKrull次元とか、とにかくたくさん出てきました。なにせ、数学の基礎Ⅰのときの先生がまた担当したので。
これらがなんなのか、何をやってるのか、当時はよくわかりませんでした。
後期ではついに位相空間が登場します。これもものすごく重要なもので、2年次で一番力を入れて勉強することになります。解析でも幾何でも、これが分からないとお話になりません。
でも、物理学科の人は知らないんだろうな。工学部の人も知らないんだろうな。
それで解析やろうというのだから大したもんです。
・3年
3年になると多様体が登場します。幾何です。位相多様体です。
曲面上に座標を描くようなことをします。イメージとしてはジャガイモみたいな物体を想像してください。その表面に、座標が書いてあるシートをたくさん貼っていくような感じ。
しかもうまく貼り合わせるんです。そう、うまく貼り合わせるのです。
ほかにもいろいろといいたいことがあるんですけど、ここら辺からどうしても専門的な用語ばかり出てきて簡単な説明が難しいので言わないことにしておきます。
解析とか確率論とかもカット。本当はホモロジー代数の紹介をしたかったんですど…。
・4年 現在
卒業研究では代数幾何の初歩を勉強しています。
大雑把な言い方ですが、多項式の零点で定められる図形、アフィン代数多様体というものを貼りあわせることによってできる図形、これを代数多様体といいます。これの性質を調べる分野が代数幾何学です。
世間からも難しいということをよく耳にするのですが、とてつもなく難しいです。定理の証明も何をやってるのかがちゃんとわからない、きちんと証明したつもりでも致命的な間違いがある、というのが日常茶飯事です。
しかしながら、代数幾何をやっていくうちに、可換環論が少しずつわかるようになってきました。幾何学的な理解ができるようになって、見通しがよくなるんです。
逆に言えば、代数幾何をやらないとわからないのではないかと思ってます。
私のやってることはこんな感じです。言いたいこといっぱいあったんですけど、うまくまとめられないので、終わりにします。駄文、本当に失礼しました。見返してみるといろいろ書洩らしてるな。まあいいか。
次はT内さんにお願いします。
数学・情報数理学科4年のo高です。
前回の投稿記事で、もう少し部室に顔出しせねば… とかなんとか書いておきながらこの有様なので、1,2年生の方々には面識がないかも知れませんね。
部室に行ったら1年生の人に「入部希望者ですか?」って訊かれる日が来るのかも。
どういうわけか数学科の1年生が多いと聞いたので、今回は自分が1年の頃から今に至るまでに学部で学んだ数学のことをざっくり紹介しようと思います。考えてたネタはボツになりました。
(でも細かくは書かないから語弊を含むかも知れません)大学に入ったら数学をやろうと思っている高校生の方にも参考になればいいのですが…。
・1年
主な数学の授業は、線形代数学、微積分学、数学の基礎、プログラミング くらいですかね。
このころの線形代数は行列式をいじってる記憶しかないです。掃出し法は高校生でも知ってて損はないかも。微積はほぼ高校の復習程度でした。テイラー展開くらいか。あんまり好きじゃないんですけどね。なんなんですかね、あれは。
数学の基礎は集合論です。そして何よりそのとき担当した先生がいろんな意味で凄まじいお方でした。入学後最初の数学の講義だというのに、いきなりラッセルの逆理を説明しだしたのです。
すべての集合の集まりは集合ではない
初めて学んだのがこれでした。後期でもこの科目、数学の基礎Ⅱがあるのですが、あの先生はそこでやるはずだったこともすべて前期で説明していまいました。特に、選択公理を使ってZornの補題を70分かけてアドリブで証明してしまうところは閉口しました。
集合は現代数学の基盤で、すべてこの集合の概念を用いて記述します。最重要科目です。一生懸命に写像や濃度とか勉強してたのが懐かしいです。
プログラミングはというと、Pascalで文法を学びます。教育言語と言われています。他学部の人にはたぶん通じません。
後期の内容は前期の続きです。線形代数は内積をやった後にベクトル空間をやります。ここも重要なんですけど、あんまり細かいことは言及しません。疲れてきたので。
微積は、多変数の実関数(特に2変数)。偏微分と重積分。演習の時間で面倒な計算を随分とやらさました。毎回のレポートでは、3,4枚の用紙で済むのを、余計なことまであれこれと書きまくってわざと12,3枚ぐらいにして提出してやったものでした。
さすがに先生の方も添削するのを嫌がってました。やったね!
あと、Pascalの方はひたすらポインタばっかりやってました。2分木とかもういいから。
・2年
2年からは代数学が登場します。大別すると、群・環・体(あと加群)というものからなります。カリキュラム的には前期に群、後期に環と加群、3年前期に体を勉強することになってます。
こいつらなんなのかというと、集合に演算の構造を与えたもので、数の概念の拡張みたいなものです。ちょっと語弊があるかも。興味のある方はググってみてください。それから統計学も出てきます。面倒ですね。
あと、プログラミングは後期からようやくC言語に入ります。しかも変な入門の仕方で。
群論はSylowの定理まで習いました。あとは独学しろだとさ。線形代数(続論)はJordan標準形です。やり方はともかく、証明がつらくてあまりいい印象はないです。一方で微積続論Ⅰではε-δ論法とかに習熟する機会となります。Ⅱは級数のお話です。
環論(可換環論)はテンソル積とかネーター環とか準素イデアル分解とかKrull次元とか、とにかくたくさん出てきました。なにせ、数学の基礎Ⅰのときの先生がまた担当したので。
これらがなんなのか、何をやってるのか、当時はよくわかりませんでした。
後期ではついに位相空間が登場します。これもものすごく重要なもので、2年次で一番力を入れて勉強することになります。解析でも幾何でも、これが分からないとお話になりません。
でも、物理学科の人は知らないんだろうな。工学部の人も知らないんだろうな。
・3年
3年になると多様体が登場します。幾何です。位相多様体です。
曲面上に座標を描くようなことをします。イメージとしてはジャガイモみたいな物体を想像してください。その表面に、座標が書いてあるシートをたくさん貼っていくような感じ。
しかもうまく貼り合わせるんです。そう、うまく貼り合わせるのです。
ほかにもいろいろといいたいことがあるんですけど、ここら辺からどうしても専門的な用語ばかり出てきて簡単な説明が難しいので言わないことにしておきます。
解析とか確率論とかもカット。
・4年 現在
卒業研究では代数幾何の初歩を勉強しています。
大雑把な言い方ですが、多項式の零点で定められる図形、アフィン代数多様体というものを貼りあわせることによってできる図形、これを代数多様体といいます。これの性質を調べる分野が代数幾何学です。
世間からも難しいということをよく耳にするのですが、とてつもなく難しいです。定理の証明も何をやってるのかがちゃんとわからない、きちんと証明したつもりでも致命的な間違いがある、というのが日常茶飯事です。
しかしながら、代数幾何をやっていくうちに、可換環論が少しずつわかるようになってきました。幾何学的な理解ができるようになって、見通しがよくなるんです。
逆に言えば、代数幾何をやらないとわからないのではないかと思ってます。
私のやってることはこんな感じです。言いたいこといっぱいあったんですけど、うまくまとめられないので、終わりにします。駄文、本当に失礼しました。見返してみるといろいろ書洩らしてるな。まあいいか。
次はT内さんにお願いします。
by chiba_univ_shogi
| 2013-01-13 03:45