2014年 01月 19日
黄色い棋跡の謎 |
変態紳士の噛ませ犬、I崎です。先日奨学金継続手続きの書類を貰ってきたのですが、「申請を受理するかどうかは通知しないから、四月になってから自分の目で支給されているか確かめろ」と言われて恐れ慄いています。去年までは通知があったかというと記憶が定かではないのですが、しかし、奨学金を頼みににのつそつと無聊を慰めて暮らし、いざ四月に口座を開いたら残額ゼロ円なんてことになれば首尾良く餓死する己の図は想像するに容易い。僕の死は社会にとってデトックスたり得るかもしれませんが、本人としてはとても嫌です。どうやらバイトをしなければならないようだ――というわけで、この前一日だけ短期のアルバイトをしてきました。毎日のように毛布に帰臥して衰えきった体に鞭打つための準備体操がてらといったところです。僕は何十年来の労働に爽やかな汗を流しました。
そして翌日熱を出しました。一週間ほど経った今でも少し引きずっています。もはや何とと言うか流石というか、まさしく引き籠もりの王道といったところです。体が労働を拒絶している。そういえば去年の冬に本屋のバイトをやった時も直後に心臓を患って入院してました。僕にとって労働はアレルゲンか何かなのかもしれません。もし今の僕が何かの間違いで正規雇用されたりしたらアナフィラキシーショックで死ぬ恐れがあります。働いても死ぬし働かなくても死ぬ。そんな文学がどこかにあった気もします。
今回はどうぶつしょうぎの次の一手問題を持ち込むことにしました。丁度今、どうぶつしょうぎウォーズで大会が開催されているというのもあります。僕も地味に一位を狙って頑張っていたのですが、ラボメンNo.002氏の快進撃の前に膝を屈した格好になりました。今の僕はメンタルアウトくらいのポジションに居ます。
さて、下の図が問題図になります。今、後手が△2二ひよこと打ったところです(符号の位置は本将棋に倣います。右上が1一で左下が3四とします)。
(問題図)
先手が二枚のぞうを低く布陣して千日手狙いの待機策を取ったのに対し、後手が2二のひよこで先手の動きを妨害しようとしているのが上の図です。
一見すると先手が押されて苦しそうに思いますが――実はこの局面、すでに先手勝ちになっています。次の一手は何か、以降ほとんどまっすぐの変化なので試しに考えてみて頂きたいです。
とはいえ、長々と引っ張るほどのことでもないので正解を言うと、ここでは▲3二ひよこと打つのが正しい手になります。
参考1図(▲3二ひよこまで)
ここで後手が△2三ひよことしてしまうと、▲3一ひよこ成△同らいおん▲1二らいおん△2一きりん▲3二きりん△同らいおん▲2三ぞう、と進んで淡々と先手が勝ちになります。
よって参考1図から△同きりん▲同ぞう△同らいおん▲1二らいおんと進みます。先手は駒損ですがトライを狙える格好です。対する後手は、先手のトライを防ぐため△2一きりんと打つしかありませんが……
参考2図(△2一きりんまで)
上の図で後手にとどめを指す三手一組の手順があります。もはや言わぬが華かもしれませんが、正解は▲2三ぞう。△同ひよこに▲2二きりん(下図)と打つ格好良い手で、先手のトライが確定しました。
参考3図(▲2二きりんまで)
では後手はどうすればよかったのか? というと、問題図の△2二ひよこが悪手でした。好位置にひよこを打って一見感触の良い手のようでしたが、あの局面は2二ひよこに代えて△1一らいおんと寄って手待ちしておけば問題ありませんでした。よくある変化のまま進み、自然と後手が勝ちになります。
と、事ほど左様に、後手必勝の結論を踏まえてなお後手が一手間違えるだけで先手勝ちになり得るからどうぶつしょうぎは面白いのだ――というのが半年ほど前のウォーズの環境だったのですが、最近ではだいたい先手が勝つことはないようです。しかしまあ、実際やってみると案外難しくて面白いので、よければ試しに遊んでみて下されば幸甚です。
それでは。次は岡本さんにお願いしようと思います。
そして翌日熱を出しました。一週間ほど経った今でも少し引きずっています。もはや何とと言うか流石というか、まさしく引き籠もりの王道といったところです。体が労働を拒絶している。そういえば去年の冬に本屋のバイトをやった時も直後に心臓を患って入院してました。僕にとって労働はアレルゲンか何かなのかもしれません。もし今の僕が何かの間違いで正規雇用されたりしたらアナフィラキシーショックで死ぬ恐れがあります。働いても死ぬし働かなくても死ぬ。そんな文学がどこかにあった気もします。
今回はどうぶつしょうぎの次の一手問題を持ち込むことにしました。丁度今、どうぶつしょうぎウォーズで大会が開催されているというのもあります。僕も地味に一位を狙って頑張っていたのですが、ラボメンNo.002氏の快進撃の前に膝を屈した格好になりました。今の僕はメンタルアウトくらいのポジションに居ます。
さて、下の図が問題図になります。今、後手が△2二ひよこと打ったところです(符号の位置は本将棋に倣います。右上が1一で左下が3四とします)。
(問題図)
先手が二枚のぞうを低く布陣して千日手狙いの待機策を取ったのに対し、後手が2二のひよこで先手の動きを妨害しようとしているのが上の図です。
一見すると先手が押されて苦しそうに思いますが――実はこの局面、すでに先手勝ちになっています。次の一手は何か、以降ほとんどまっすぐの変化なので試しに考えてみて頂きたいです。
とはいえ、長々と引っ張るほどのことでもないので正解を言うと、ここでは▲3二ひよこと打つのが正しい手になります。
参考1図(▲3二ひよこまで)
ここで後手が△2三ひよことしてしまうと、▲3一ひよこ成△同らいおん▲1二らいおん△2一きりん▲3二きりん△同らいおん▲2三ぞう、と進んで淡々と先手が勝ちになります。
よって参考1図から△同きりん▲同ぞう△同らいおん▲1二らいおんと進みます。先手は駒損ですがトライを狙える格好です。対する後手は、先手のトライを防ぐため△2一きりんと打つしかありませんが……
参考2図(△2一きりんまで)
上の図で後手にとどめを指す三手一組の手順があります。もはや言わぬが華かもしれませんが、正解は▲2三ぞう。△同ひよこに▲2二きりん(下図)と打つ格好良い手で、先手のトライが確定しました。
参考3図(▲2二きりんまで)
では後手はどうすればよかったのか? というと、問題図の△2二ひよこが悪手でした。好位置にひよこを打って一見感触の良い手のようでしたが、あの局面は2二ひよこに代えて△1一らいおんと寄って手待ちしておけば問題ありませんでした。よくある変化のまま進み、自然と後手が勝ちになります。
と、事ほど左様に、後手必勝の結論を踏まえてなお後手が一手間違えるだけで先手勝ちになり得るからどうぶつしょうぎは面白いのだ――というのが半年ほど前のウォーズの環境だったのですが、最近ではだいたい先手が勝つことはないようです。しかしまあ、実際やってみると案外難しくて面白いので、よければ試しに遊んでみて下されば幸甚です。
それでは。次は岡本さんにお願いしようと思います。
by chiba_univ_shogi
| 2014-01-19 13:26